平らなピアノー今一度の紹介

菅野が孤軍奮闘している楽器を今一度紹介する。

どうしてピアノは凸凹なの?

ピアノを習い始めた人のほとんどが感じるこの疑問。とはいえ、ピアノに慣れ親しむうちに「ピアノはこんな楽器なんだ」と思い込んで習得に励む人がほとんどでしょう。菅野邦彦はピアノをはじめた10代の頃からこの疑問を持ち続け、違和感を感じながらプロピアニストとして従来の凸凹ピアノを弾き続けてきました。同時に凸凹のない「平らな鍵盤」を志向し、何台ものプロトタイプを創り、三十年来試行錯誤を重ねました。今回、その経験をもとに、皆様のご支援を得て、決定版となる「鍵盤」を製作し、その素晴らしい音と菅野の音楽をライブ演奏で楽しんでもらいたいと思います。

凸凹ピアノの欠点

菅野によると、ピアノはそもそも黒鍵と白鍵で音質が違うのです。多くの方が黒鍵だけで「猫ふんじゃった」を弾いて、その音色を美しい音と感じた経験があると思います。しかし、転調して弾くと黒鍵と白鍵の音が混じり音質が乱れます。この黒鍵と白鍵の音質の違いは凸凹ピアノの鍵盤の構造上の欠点です。

いっぽう、演奏者にとっては、指先から一番いい音が出る場所(スウィートスポット)への高さと距離が白鍵と黒鍵ではちがうため、指使い(運指)がそもそも難しく習練に時間がかかることが難点のひとつです。練習しすぎると腱鞘炎になったり、速弾きのプロピアニストが黒鍵の間に指を挟んで骨折したりすることもあります。(超絶技巧で知られるジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンのケースが有名です。)さらに、キーがかわれば運指がかわります。例えば、Cのキーでは白鍵だけでドレミファソラシドが弾けますが、Dのキーになるとドレミファソラシドに黒鍵が二つはいることになります。つまり12音のキーごとに12通りの運指を習得せねばならないのです。これらの無用の習練を強いる凸凹ピアノが楽器の王様とはとても言えないことは明白な事実なのです。